山に作業道を開設する研修を受けに、三重に行ってきました。
研修先は松坂飯南森林組合。
北海道から四国あたりまで、いろんな方にお会いできてとても充実した二日間でしたが、その中でも日吉の湯浅先生のお話しが心に残りました。
「先入観を捨てて、あらゆる視点からベストな方法を導き出す必要がある」
「この工事をするのに一メートルに何分かかって、どのくらいのコストがかかるのか。関わる人間全てがそれを分かっている必要がある。プロですから。」
「目標とする森林の姿をイメージできないのに、どのようにして森林を管理するのか。」
など。

存在感も際立っていて、とても魅力的な方でした。
ドイツを引き合いに出されることが多かったのですが(いい面も悪い面も含めて)、ドイツの方々に影響を受けていらっしゃるのか、非常に合理的な考え方で、合理性を楽しんでいるような感じてした。
あらゆる可能性からコスト、工法、その山の将来の姿、などのベストバランスを見つける面白さを、湯浅先生の講義や一緒に山で歩くことで感じることができました。
この二日間のおかげで今までより高いところに目標を置くことができそうです。
三重の帰りの電車で思ったこと。
・チップやバイオマスが今後も長期的に需要があるとするなら、将来的には成長の早い広葉樹林を育成することで、売れるところまで育てるコストを減らして、利益をだすこともできる可能性があるんじゃないか?
環境のために植えるということだけじゃなくて、利益にもつながるんじゃないか?
・今は山の管理は「いかに所有者さんに(金銭として)利益を残せるか」というところで努力している。
造園では庭を提案して作り、管理することで価値が生まれる。
心地よい日々が送れるという価値が生まれるが、直接的にそれによって庭の主が儲かるわけではない。
儲かるわけではないけどそこに価値が存在し、その価値を庭師が提供する。
それなら山も提案し施業し、管理すること自体に価値が生まれることで林業が補助金を使わず回していくことはできないだろうか。
100年も生きているような針葉樹が林立する山。広葉樹が四季を彩る山。
価値を生む山。水や生き物を豊かに育む山。
木材を売ることも大事だけど、それ以外の価値を付加することはできるんじゃないだろうか。